どんな曲？どんなアレンジ？

この曲は、2021年の「日本オカリナ・アンサンブル・コンクール」の課題曲として書かれた曲です。誰もが知っている物語「シンデレラ」を題材として作曲されました。どこを取っても物語の場面が写実的に描かれた作品です。冒頭の低音部が奏でる３連音符の動機、すぐに出現する優美なクロマチック系の動機が、曲全体のテーマとなって姿を表し、存在感と統一感を持って進行していきます。

馬車に乗って心高まる高揚感、舞踏会を思わせる美しいワルツ、不安と緊張の中での馬車、そしてエンディングには、永遠と続くことを願う祝福のメロディーが、幸福感に満ちたままに高らかに鳴り響きます。田島作品の真骨頂と言える傑作です。

田島 篤氏　プロフィール

指揮者、作・編曲家。フランクフルト音楽大学にて指揮法を学び、ウィーン楽友協会にてデビュー。ドイツ国家演奏家資格を有し、ヨーロッパをはじめ内外のオーケストラと共演。「オカリナDUOうらら」のアレンジャーになった事がきっかけでオカリナの世界で活躍する事になり、Nightオカリナ楽団、同アンサンブルの音楽監督を務め、作曲作品も多く手掛けている。雑誌Ocarinaでは、「基本」を伝えるコーナーを連載し、分かり易く丁寧な指導に定評を得ている。現在、日本オカリナ協会の理事長、また日本オカリナアンサンブルコンクールの審査員長を務め、海外のマスタークラスやコンクールの審査員も務める。